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ちゃーりーの「どっからでもかかってきなさい」

ジャイアンだとしても、映画版です

おまぬけちゃーりー、すごさは比較できない?

自己紹介 雑感

とまあ、偉そうなことを書いてきたけれど、確かにこれだけ読むと僕がすごいひとみたいである。確かに僕は自分のことが好きだし自分すごい、と思っているフシがあって、基本的に自信はある。でもそれと、すごいひとがたくさんいる、って自覚できるのは全く別問題で、そういう意味では謙虚だと思う。というのは、すごさというのは同じ数直線上ではかれるものでない。例えば、誰かがすごくて自分がへこむ、というのは、自分がすごくないのが問題なのではなくて、ひとと同じ数直線上(ものさし)にのるようなことをしてしまっているのが問題なもかもしれない。皆どこかではすごいもんである。長所のないひとはいない。

 

で、であるが、僕と一緒にラボ生活を過ごしたひとに言質をとってみれば分かるのだが、僕はかなりまぬけの早とちりである。特に実験ベンチでのエラー率が高い。メンブレン系の実験のクオリティの低さはひどいもので(最近少しマシかな。。。)、何かが欠けているようである。

 

4月にアメリカにきてすぐに、かっこつけて96サンプル(プラスミド30種くらい)のミニプレをやった(他にやることがなかった、というと家族に怒られそうだけれど)。で、それをシークエンスしたら、当たりが一個もなかった。すぐにボスにメールをした。もうダメだ、この世のおしまいだ。するとボスが、いや、あたりがあるみたいだよ、と返信をしてきた。答えは簡単、僕が作ったサンプルの順番と、元々のシークエンスファイルの順番が真逆だったんである。順番にチェックしていったので、これではあたりがでるわけはない。ボスは、やばいポスドクを雇ってしまった、と思っただろう。

 

昨日も、よっしゃ、ポジティブだ、と騒いだあとに、ノーマライズに使う値の計算をきれいに間違えていたことに気がつき、や否や大騒ぎをし(脚色ではない大騒ぎ)、もうこのデータはダメだ、と。冷静に考えてみると、計算を間違えてはいたのだけれど、別にデータは死んでいなかった。皆あきれていた。

 

とまあこういう感じで、ベンチも汚いし、ちゃーりーはスロッピー、おまぬけである、というのが周囲の理解だと思う。しかも勤務は9時からせいぜい18時で、休日はそんなにやっていないのだから、最初のころに、ハングリーじゃない、とか、おまえそれでもポスドクか、みたいに言われたのもムリはない。

 

と、こういうわけで、僕は僕で対策をしている。まずは、実験計画を先々まできちんとたて、必要最小限のサンプルのみで実験を進めることである(遠心しきれない24をこえないようにする、とか)。そして、労働的な意味で楽をできるように、ものすごい頭を使う。次に、立てた計画、出た結果、考察を、周囲にいるなるべく多くのひととしゃべりたおすことだ。大きな問題は、3人に話せば誰かが気がつく(大事な実験は僕は他ラボのひとも含めて5人には話すし、方向を考え直したいときは他分野のひとと話す(コメットさんとか))。エラー率が特に夜に高いのを知っているので、15時以降に実験をスタートすることは滅多にない。実験の種類は理想的には1日1個、やっても3個。

 

そして、「簡単な実験などない」と言い聞かせている。たかがqPCR、とか言うヤツに限って(言われた)、わけのわからんデータをもってくるものだ。クローニングだって簡単じゃない。制限酵素やライゲースを見つけたひとの気持ちでやるのだ、クローニングは。切れてくれてありがとう、くっついてくれてありがとう、ってな具合に。というかどっちもすごいシステムだし。

 

こんな感じなので、物事が詳細に立ち入ってくると僕は若干苦手だ。その代わり僕は、ぼんやり大きなこと/問題を考えたり、思考実験をしたりするのが得意だと思う。パターンを考えて組み合わせを考えて、結果が出るたびにそれを組み直す。前ラボの先輩とよく話していたのだが、タンパク質の気持ちになって考える。自分の生物に対する印象にとって、最も自然なのはどれか。生物はこんなめんどくさいシステムを採用するかな?とか、考えるわけだ。そして繰り返しになるが、重要なのはそれをひとに話すこと、書き留めること。いきなり良いアイデアなんか出ないし。それがゆえにか、じっくり考えて、のんびり至適化を行いつつの読みつつのじっくり解析するNGS系の実験は僕にすごく合っていて、良いコラボレータがいることもあって、打率が高いように思う。

 

そんなスタイルなので、僕の脳みそがリラックスしている瞬間っていうのはあまりない(だから、ラボにいるのは9-18だけれど、実はずっと研究しているみたいなもんだ)。はりつめていたときに、ふっとぼうっとした瞬間、娘と遊んだりしている瞬間、緩急の変化があったときに、何かを思いつくことが多いかもしれない。で、1000個アイデアを考えて、1個がほんものの名案なら良いのではないかな、と楽観的に考えている。

 

ま〜た長いポストになってしまった。何を言いたいかというと、ウェット実験の腕前、とか、こなせるサンプル量、とか、手技の正確さ、とか注意深さ、というものさしで話せば、完全におまぬけチャーリーだ。僕はそこを直そうとするよりは、とりあえずマイナスの側面を最小化するようにつとめ、自分の得意なものさしに期待するようにして、合計のベクトルでおもしろいことができりゃあ良いのだ、と考え、その道で自分はひとかどだ、と信じている。そう考えると、冒頭の、すごさっていうのは比べられない、比べられたら若干問題、っていう結論に至る。長所のないひとなんかいないので、PIになったら、各人の良さを引き出すことに全力を注ぎたいし、(これはやってしまいがちだが)自分のものさしでひとを測ることをしないようにしたい。たぶん。

 

(注)僕は気分のふれが激しいほうで、最近は上機嫌なのでポジティブだけれど、ネガティブなときも結構あります。でも根はポジティブだと思います。